活動記録

 企画について

 

毎年秋に行っている県女映画上映会ですが、今回は映画の上映だけではなく、「震災・原発について」というテーマのもと、ドキュメンタリー映画を通して”想い”を伝え、未来に”残す”とはどういうことか、何度も映画の選考会を開いて考え、同時に定期的にセミナーを開いて震災・原発について学んでいくという、新しい試みです。

3.11の東日本大震災、福島の原発事故―。その記憶を振り返る時、私たちはその悲しみの深さに打ちひしがれてしまうかもしれません。日本が今抱えている問題の大きさ、深さを目の前にして、どうしたら良いか、解決の糸口が見えず立ち往生するかもしれません。

しかし、私たちが何本ものドキュメンタリー映画を観て、確信したことがあります。

映画を撮った人々がうつしたものは、”悲しみ”ではありません。現実をみつめ、生きる人々の姿から立ち現われてきたのは、生活への愛情、温かな人との交流――。

被災地に生きる人々も、今ここで生きる私たちも、本質的には何も違わないのだと実感させられました。

被災地で生きる人々、その手助けをする人々、それを賛美するわけでもなく、ありのままの姿を淡々と映画はうつし出します。ドキュメンタリー映画は、テレビのニュースのように、あらかじめ意味や解釈が加えられていません。映像から立ち現われる声を拾うことも、何を感じるかも、すべて私たちに委ねられています。

映画は何かを知り、何かに気づく「きっかけ」にすぎません。観た後に感じたことを言葉にして、誰かと話し合っても良いですし、ひっそりと映画のことを記憶に留めておくのも良いと思います。そんな誰かと何かを共有できる場、「きっかけ」を生み出す場をつくることが私たちが目指していることです。

 

 

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セミナーについて

東日本大震災を自分たち自身の問題として考えるべく、私たちは「当事者」「歴史」「伝える」「技術と自然」「残す」という大きく5つに分けたテーマを基として定期的に勉強会を行ってきました。その内容をここで少し紹介したいと思います。


第一回目の勉強会のテーマは「当事者」。ここでは被害者と非被害者、そして加害者の間のグレーゾーンについて話し合われ、一人ひとりが目の前にある問題を自分の事として取り組む必要があると実感しました。

2回目の勉強会のテーマは「歴史」。原子力の歴史を改めて見つめ直すことで、原発事故を繰り返さないために私たちがどう行動すべきかを考える糸口としました。
 

3回目の勉強会のテーマは「伝える」。ここでは主にメディアの問題について取り上げられ、さまざまな情報が飛び交う社会のなかで、どのように情報を取捨選択していくかについて話し合われました。
 

4回目の勉強会では「技術と自然」について話し合われ、原発と今後どのように向き合っていくべきか、廃止する場合、原発に代わるエネルギー源として何を用いたら良いかなど、今までよりも少し具体的な話し合いとなりました。
 

最後の勉強会のテーマは「残す」。この震災をどのように未来に伝えていくか、それをいくつかの例とともに見てきました。
この勉強会の他にもミーティングや震災関連の映画上映を定期的に行うことによって、私たちはこの震災が私たちの未来と切っても切り離せないものなのだということを学びました。
 

セミナーを通じ、得たものをきっかけに、私たちの未来に向き合っていこうと思います。

 

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